2019年7月21日に日付が変わってすぐ、トラさんが亡くなりました。
17歳でした。
亡くなる10日ほど前、嘔吐を何度かして、最終的に緑色の吐しゃ物が出て、
これはおかしいと病院に連れて行き、血液検査の結果、重度の腎不全と診断されました。
ちなみに緑色の吐しゃ物は、胃が空っぽで吐いた時に出る、胃液や胆液の色だそうで、イコール腎不全ということではないようです。
17年前、トラさんは、ビョルンという子と一緒にうちに来ました。
元々、トラさんは我々のところに来る前、1人暮らしの大学生の元に里子に行ったのですが、ひとりぼっちが寂しくて鳴き続け、不憫になって保護主さんの元に返された子でした。
保護主さんから、トラさんと仲の良かった兄弟猫と一緒に引き取ってもらえませんか、という打診があり、仲良しならぜひぜひ、ということで、うちに来ることになりました。
だからうちに来た時、トラさんは声が枯れていて、しばらくかすれたような声しか出せなかった記憶があります。
トラさんとビョルンはいっつもくっついて寝てました。
そりゃあもういつもです。お互いのお腹に顔を埋めて寝る、陰陽マークのような寝方でした。ラブラブです。
ちなみにビョルンという名前は、映画『ベニスに死す』の絶世の美少年タッジオを演じたビョルン・アンドレセン氏から命名しました。名前に恥じない超絶美形のビョルンさんは抜けたところのある不思議ちゃんでした。
5年前の秋、ビョルンが肺腺癌で亡くなって、当時はまだ我々も会社勤めだったので、トラさんはまたひとりの時間が多くなったし、遊び相手がいなくなって運動量も減りました。
フリーランスになり島に連れてきてからは、甘えん坊に拍車がかかったように思います。日中は膝の上で寝たがり、夜は布団や枕の上で一緒に寝ます。
我々が仕事部屋にこもるとニャーニャー抗議しながら呼びに来るので、いつもオットがノートPCを持って居間に行き、トラさんを膝にのせて仕事してました(笑)
遊び相手になったらいいなとチータを迎えましたが、ビョルンのようにくっついて寝ることは滅多になく、でも嫌がりながらも追っかけっこをしたり、気が向いたら毛づくろいをしてあげたり、つかず離れずの距離感で付き合ってあげてました。
ヤンチャな新入りにも噛みついたり引っかいたりということはしないやさしいトラさん。
基本、おっとり穏やかで優しいトラさんですが、たまに寝てるチータをわざわざ踏んづけて歩いたりしてるのを見ると、わりといい性格だなと思ったり。
同じご飯をあげているのに、わざとチータのご飯を横取りしようとするいやしんぼさんでした。
それもこれも含めて、とってもとってもとーーーーーーっても可愛い子でした。
若いころに尿路結石ができてからは、ずっと療法食を食べさせてきたこともあって、病気知らずで世話のかからない子でした。
だから油断して、「高齢だから」と 色々なサインを見過ごしていた自分が嫌になります。アホかと。
腎不全と診断されてからは、だんだん食欲もなくなり、大好きなちゅーるも食べなくなったときに、覚悟をし始めました。
補液をしながら10日間看病しました。
最期まで毛ツヤもよくピカピカでふわふわで太陽の匂いがして、ふらつきながら自分の足でトイレに行きました。本当にえらい子です。マジ天使。
人見知りのチータと違って、トラさんはわりとお客様が来ても逃げずに挨拶をしに来るので、色々な方に可愛がっていただきました。ちゅーるを貢がれたこと数知れず。ありがとうございました。
むっちゃ甘えん坊でいつもくっついてきてくれた子なので、喪失感というか側にいない違和感が消えないのですが、今ごろ久しぶりに大好きなビョルンとくっついて寝てるかな。
トラさん、17年間本当にありがとう。