講演会「八丈島の外来種問題を考える」に行ってきました

こんにちは、Hasneのオットのほうです。

昨夜、ビジターセンターで開かれた講演会「八丈島の外来種問題を考える」に行ってきました。講師は伊豆諸島の生物に詳しい東邦大学の長谷川雅美先生。会場はほぼ満席。

伊豆諸島の生物進化の歴史から、独自の生態系について、そして島の生物の将来を考えるという内容でした。

八丈島のイタチ問題

色々な話をされましたが、今回特に問題として取り上げられたのはイタチ。

八丈島では、ネズミによる作物の被害を止めようと、1960年前後に人為的にイタチが導入されました。当初、試験的にオスだけ数匹という話がでたけど、結局数十匹のイタチが放されたとか。うーん、豪気。

現在では繁殖したイタチが、希少な鳥やトカゲを捕食していてそれらを絶滅の危機に追いやっています。害獣駆除のために外来生物を入れたら、ターゲット以外の生物を激減させたって話はよく聞きますね。

ちなみに数値を見る限り、ネズミはあまり減らなかった模様。うちの天井裏にもネズミ出るしなぁ。困ったものです。

外来種への対策と実績

そんな生態系に打撃を与える外来種問題。奄美大島でも同様にハブ対策に導入したマングースが生態系を壊して問題になっていました。しかし近年、島全体で大掛かりな駆除を行って、マングースの数をかなり減少させています。

実は八丈島も、無人島になった八丈小島で増えてしまったヤギを全頭八丈島に移した実績があります。それによって八丈小島に絶滅危惧種のクロアシアホウドリが巣を作り、ニュースにもなりました。

個人的には外来の虫(特にヤスデ)をどうにかしたいのですが、さすがに特定の虫を完全に駆除した実績は聞いたことないそうです。しかし、イタチを減らすことで、虫の天敵である鳥やトカゲが増えて、結果ヤスデが減ることはあるかもしれないとのことでした。地域によっては異常繁殖ってぐらい出没しますからね、ヤスデ。どうにかしてせめてバランスを取ってほしいものです。

他の地域と隔離された離島だから、人の行いがよりダイレクトに反映するのかもしれません。「ヤスデが増えたのは1x年前にとある農家が九州から仕入れた苗の土に入っていたのが原因だ(真偽不明)」って話を聞くと、一つの行為がここまで広がるんだなぁ、と。まさにバタフライエフェクト。

人が自分たちの利益のために安易に自然に手を加えると、思いも寄らない影響があり、それを戻すには多大な労力が必要なんだなぁというお話でした。